ある日、車を運転していた高齢の男性の前に、パトカーが静かに横付けされた。 「そこの車、止まりなさい」 男性が素直に停車すると、若い警官が降りてきて、厳しい口調で告げた。 「スピード違反です。20キロオーバーでした」 「そんなはずはありません。私は法定速度で走っていました」 実際、彼は本当に制限速度を守っていた。だが若い警官は聞く耳を持たず、 「警察である俺が嘘をついているとでも? 高齢者はさっさと免許を返納しろ」 と高圧的に言い放った。 その時、後部座席からベテラン警官が降りてきた。彼はおじいさんの顔を見るなり、血の気を引かせて立ち尽くす。 「あなたは……元警視総監ではありませんか」 空気が一変した。 若い警官は青ざめ、何も言えない。 そして元警視総監は静かに言った。 「君こそ、警察官の資格を返納した方がいいんじゃないか」 一瞬で立場が逆転する、大逆転の瞬間だった。