「すぐ家中を調べろ」早朝、夫に叩き起こされた私は、寝ぼけ眼のまま顔を上げた。 「え……?」と聞き返すと、夫は低い声で言った。 「気づかなかったか。俺たちは、もう狙われているかもしれない」私には息子がいる。結婚し、かわいい孫にも恵まれた。お盆休みに三日ほど帰省すると連絡があったとき、私は胸を弾ませた。久しぶりに息子夫婦と孫が同じ屋根の下にいる――それだけで、穏やかな日常が一気に温かくなる気がしていた。だが、初日の食卓で息子が静かに口を開いた。 「実は俺、難病なんだ」その一言で空気は凍りついた。さらに、病気をきっかけに家族を取り巻く状況は不自然なほど急変していく。夫は何かに気づき、最終日になるや否や私に家中の確認を命じたのだ。私は震える手で廊下へ向かった。 この家で、一体何が起きているのか――。