最終面接に23分遅刻した高野美咲は、受付で冷たく追い返された。駅前で倒れた老人を見捨てれば間に合ったはずだが、彼女は救急車を呼び、青いハンカチを額に当て、最後までそばを離れなかった。その代償として、清涼ライフサポートの最終選考は終了と告げられる。だが翌朝、会社から一通のメールが届く。「本日午後一時、再度ご来社ください。最終面接を実施します」――しかも、昨日預かった青いハンカチを返すという。美咲が最上階の役員室に案内されると、そこには昨日の老人がいた。彼は創業者の青柳宗一郎。彼は静かに語る。人を見捨てない理念を掲げる会社なら、最初にそれを示した彼女をこそ評価すべきだと。美咲は迷いも後悔も隠さず答えた。その誠実さが認められ、彼女は採用される。遅刻と失格のはずだった朝は、誰かを支える仕事へ続く扉へと変わった。