「少し、お時間いいですか?」 PTA会長は春の前に立ち、平然と告げた。「この学校には品格があります。貧乏人の子は、娘さんのためにも転校した方がいいでしょう」 春は涙を隠し、母に何も言えなかった。翌日も、友だちは椅子を遠ざけ、弁当の中身を笑った。だが母は感情に流されず、席の拒絶、弁当、髪飾りの紛失まで一つずつ事実を記録していく。 そして校長室で、映像の確認が始まった。春が疑われた時刻、彼女はすでに廊下を離れていた。真に触れていたのは別の児童だった。追い詰められていたのは、春ではなく学校の側だった。