レストランで菜月との結婚五周年を祝っていた俺は、元同僚たちに出くわした。 「社長令嬢と結婚とか、見事な格差婚だろw」 嘲笑に満ちた声に、菜月の目が冷たく光る。「あなたたち、何も知らないのね?」 「何のこと?」と笑う彼らに、菜月は静かに告げた。 「あなたたちの会社、近いうちに潰れるわよ」その瞬間、空気が凍りついた。 俺は六年前、誕生日にリストラされ、酒場で市川社長と出会った。財務の知識を買われて入社し、暴走気味だった娘の菜月を支え、やがて惹かれ合い、結婚した。今では菜月は社長、俺は副社長だ。さらに菜月は続ける。 「彼は本当に優秀よ。粉飾まがいの決算にも、誰より先に気づいていたのだから」直後、同僚たちのスマホに破綻ニュースが一斉に届いた。 青ざめた彼らは、何も言えず席を立つ。 菜月は俺の手を握り、微笑んだ。 「あなたがいてくれて、本当に良かった」