何日も休んでしまい、本当に申し訳ありませんでした。 三歳の姪・小春を抱いたまま、俺は会社の中央で頭を下げた。休暇中の業務は同僚に任せきり、今日は子どもまで連れてきている。居心地の悪さを覚悟した、その時だった。 高橋課長が静かに近づき、俺へ一枚の紙を差し出した。そこには有給残日数、特別休暇、在宅勤務、時差出勤、育児支援制度まで整理されていた。さらに人事や保育相談窓口の連絡先まで添えられている。 「佐々木、本当に覚えてない?」 課長の一言で、過去がよみがえった。かつて俺が、育児で苦しむ課長をさりげなく支えていたのだ。 その瞬間、俺は初めて知った。自分は一人で生きてきたつもりでも、誰かに見られ、覚えられていたのだと。折り紙を手に笑う小春を見て、職場の空気は少しずつ変わっていった。