「医者の旦那を奪ってゴメンねw」 数日前、かつて私の初恋相手を奪った友人・玲子から、そんな電話がかかってきた。 「え?夫は隣にいるけど?」 そう返すと、玲子は一瞬黙り込み、「は?」と素っ頓狂な声を上げた。私は看護師を辞め、今は医者の夫・勇太と静かな結婚生活を送っている。だが玲子は、高校時代から人の恋人を奪うことを繰り返す女だった。今回もまた、私の夫を奪ったつもりで勝ち誇っていたのだろう。 ところが実際に玲子が狙っていたのは、私の夫ではなかった。 病院には同姓同名の「田崎勇太」が二人いた。玲子が落ちた相手は、先月入った事務員の田崎勇太。しかもその男は金遣いが荒く、病院の金の横領まで発覚していた。 やがて彼は逮捕され、玲子も疑いを受ける。 一方、私の隣には本物の夫がいる。玲子の勘違いは、私を笑った罰だった。 そして今、私のお腹には新しい命が宿っている。