妻を亡くしてから十年、俺は恋愛も人生の熱もすべて捨てたつもりでいた。毎月の墓参りだけが生きる理由だった、そんな雨の夜、マンションの入口で見知らぬ女性が封筒を差し出す。 「奥様からです」 その言葉と封筒の宛名、たった三文字の「週一へ」を見た瞬間、時間が止まった。差出人は、十年前に亡くなった妻・恵みだった。 手紙には、俺が一人なら十年後に渡してほしいと書かれていた。読み進めるうちに、恵みの本当の思いが胸に刺さる。さらに、その手紙を届けた女性・なおも、同じように大切な人を失っていたと知る。 失った愛は消えない。だが、残された心はまた誰かを愛していい。恵みが残した最後の言葉は、俺を絶望ではなく、再び明日へ歩かせるための手紙だった。