警察から母が万引きしたと連絡が入りました。俺は激しく困惑し、「母は大分前に亡くなりましたが?」と返答したのです。不可解な思いを抱えたまま、とりあえず警察署に行き部屋に入ると、虚ろな表情をした女性が座っていました。彼女の所持品にあった古い写真の裏には、私の連絡先が記されていました。若年性認知症を患う彼女は、自らの病を苦に姿を消した実の母・山本瞳だったのです。記憶が混濁する中、「周りを明るくする子にと名付けたの」と私の名を語る母。ふと正気を取り戻し涙を流す彼女を強く抱きしめ、失われた親子の絆を取り戻すことを誓いました。