忌引き休暇から戻った俺を待っていたのは、空っぽになった自分の席だった。 「そんな理由で休む奴は不要w」 課長代理の木村は鼻で笑い、散々に俺を見下した。母を失ったばかりの俺は、反論する気力もなく「……わかりました」とだけ答えた。その足で人事へ向かい、退職届を提出した。木村は案の定、「一流ではなく三流の会社がお似合いだ」と嘲笑したが、俺は無言で会社を出た。 ところが翌日、呼び出されて戻ると、そこには本社へ異動したはずの前課長・浅井がいた。さらにその隣には、社長の神谷英樹まで立っていた。木村の顔は青ざめ、膝は震えていた。 社長は俺に深々と頭を下げると、「君には本社で私の右腕として働いてほしい」と告げた。浅井もまた、俺の実力をずっと見ていたのだと言う。木村の理不尽な扱いは、その場で一気に裁かれた。 失意の退職届は、逆転の始まりだった。