医者だった父を亡くした葬儀の直後、夫の和明は、私が相続する三億円の書類を勝手に見て言い放った。 「この三億は俺と母さんで分ける。欲をかくなよ」――義母まで加わり、二人は高級車や海外旅行の話で大はしゃぎ。私は怒りを押し殺し、静かに笑って見せた。だが、その裏で私は弁護士に相談し、共有口座の現金五百万円を自分の口座へ移していた。翌月、ハワイから帰った二人が口座残高を確認すると、そこには金がない。 「金が無いぞ!?」と叫ぶ和明に、私は淡々と告げる。遺産は特有財産であり、夫婦の財産分与の対象ではない。さらに、共有財産もすでに整理済みだった。「離婚する」と宣言した私に、義母は青ざめ、和明はすがりついた。だが、父を侮辱し続けた二人に、もう情けはなかった。 こうして私は、彼らを家からも人生からも追い出した。