佐山香苗は、夫の健太と結婚して一年。父子家庭で育った彼女にとって、温かな家庭は何よりの願いだった。義父の岐阜も穏やかで、義母も最初は優しく迎えてくれた。しかし、健太の単身赴任を機に、義母の態度は一変する。ある日、香苗が受け取った荷物の中身は、いつもの腐った野菜や期限切れの食材だった。嫌がらせだと気づいても、健太に家族の亀裂を作りたくなくて黙り続ける。そんな彼女の異変に気づいた岐阜が、ある日突然訪ねてきた。そしてちょうど届いた荷物を見て、彼は震える声で言う。「全部捨ててくるわ」その一言の裏には、健太の切実な願いがあった。香苗を守りたい一心で、岐阜に様子見を頼んでいたのだ。事情を知った岐阜は、荷物を処分し、翌日帰宅した健太も深く頭を下げた。だが義母は逆上し、文句を言いに現れる。香苗はついに堪忍袋の緒が切れた。「今は令和です。価値観を押しつけないでください」その言葉で義母は沈黙。やがて義母は兄の家で、家事と生活費を担う厳しい生活に追い込まれた。香苗の家には、ようやく穏やかな日々が戻った。