入職式の朝、医大付属病院の前を掃除していた俺は、数人の新人医師に声をかけられた。 「おっさん、清掃員なんてやってるのかよ」「このゴミも片付けとけw」 彼らは名門大学卒を鼻にかけ、俺を見下して去っていく。俺はただ「……はい」と答え、足元のペットボトルを拾った。だが、その日が入職式当日だと知った時、少しだけ空気が変わった。 式で院長の挨拶が終わると、司会が「続いて理事長のご挨拶です」と告げる。壇上に立ったのは、先ほどまで清掃員だと思っていた俺だった。「医療は、肩書きで人を分ける場ではありません」 会場がどよめく中、あの新人たちは顔を真っ青にする。震える彼らを見て、俺は静かに続けた。 「学歴より先に、謙虚さを学びなさい」 翌日、彼らは深々と頭を下げ、以後は清掃まで手伝うようになった。