20年ものあいだ、「便利屋」として扱われ続けてきた男、森本。 総務で雑務を押しつけられ、誰も彼の働きを見ようとしなかった。だが今年の株主総会だけは違った。再建を支えた取引条件の覚書、その確認が問答集から抜け落ち、会場は一瞬で凍りつく。責任者を名乗る辻井は動けず、部下に責任を押しつけようとする。だが、静かに立ち上がった森本が、三年見直しの条件と履行状況を即座に提示。株主の疑問に答え、危機を救ったのは、いつも影で支えてきた彼だった。社長はついに気づく。会社を本当に支えていたのは森本だと。正社員登用、そして係長へ。 20年分の不当な扱いが覆る瞬間、誰よりも遅く評価された男の逆転劇が、ここに完結する。