父の葬儀を終えた直後、私は弟嫁からの電話に凍りついた。 「もう300万使っちゃったw」 あまりに悪びれない声に、怒りより先に笑いがこみ上げる。父の通帳と印鑑を盗み、北海道旅行に使ったというのだ。しかも弟夫婦は、葬儀にも顔を出していない。私は静かに問い返した。 「通帳の名義、確認した?」 「え?」 その一言で、向こうの空気が変わる。実は、弟が持ち出したのは父の通帳ではなかった。残高もほとんどなく、名義は私たち家族の中で最も紛らわしい、弟自身の口座だったのだ。父は生前整理で、必要な分をすでに別に移していた。 「使ったのは、あなたたちの貯金よ」 私がそう告げると、弟嫁は絶句した。さらに、実家もすでに売却手続き済み。慌てて戻ってきた二人は、家も金も失い、顔面蒼白だった。