義妹夫婦が事故で亡くなったのは、結衣が五歳のときだった。残された幼い娘を前に、義母は必死に親族へ頭を下げたが、義兄嫁は不妊治療を理由に「引き取れません」と冷たく拒絶した。その言葉に場は凍りつく。 そこで私と夫は即座に立ち上がった。「うちにおいで、結衣」――幼い姪はしばらく震え、それでも小さく「うん」と答えた。こうして結衣は、私たちの家で暮らし始める。夜泣きも、おねしょも、笑顔の少なさもあった。それでも息子の陸が寄り添い、少しずつ姉弟の絆が育っていった。 二年後、私が妊娠した頃、義兄嫁が突然現れる。「その子、ちょうだい」――しかし彼女の企みはすでに崩れていた。浮気が発覚し、義兄との離婚も決定。彼女は去り、結衣は私たちの養女になった。