りくりゅうが世界を虜にしてしまう理由は、派手な技だけではない。陸が“お姫さま抱っこ”で足元をすっと通され、ちゃらけた顔で写真に収まる――その瞬間、こちらは錯覚するのだ。「りくりゅうが回っているんじゃない。りくりゅうを中心に世界が回っている」と。世界が真似した方がいい、とまで言われる手のつなぎ方。そっと交わすひそひそ話。さらに胸を打つのは、陸が肩を故障した場面だ。演技中に外れたらどう直すのかと問う陸に、龍一は落ち着いて言う。「大丈夫。外れないよう、俺が引っ張らないようにする。」言葉がそのまま支えになる。演技が終われば、龍一は肩をぽんと叩き、優しく抱き寄せる。オリンピックで歴代最高得点が出た瞬間、驚きのあまり転んでしまう可愛すぎる陸。そこへ龍一が、光の速さで駆け寄って助ける――大谷の球より速い、と冗談が飛ぶほどに。見つめ合うだけで世界がバズる。納得しかない。