りくりゅうの笑えて愛しい関係性――それは、氷上だけで完結しない“呼吸の一致”にある。リズムは完全一致。カメラに捉えられていないと思った龍一が、水をふきのせすぎて慌てて手を振る――その瞬間さえ、世界に幸せの魔法をかけているように見える。リンク外でも二人は自然体だ。陸が家具をおねだりしても、疲れた龍一は気づかない。けれど、二人の間には邪魔をする重力が存在しないかのようで、日本国旗さえ美しく祝福しているように映る。始球式まで頼まれそう、という冗談が現実味を帯びるほどだ。もちろん演技はとても美しい。だが、それ以上に心を奪うのは、陸が龍一の手を握る一瞬、龍一が手のひらを合わせ返す一瞬。手を握っている“角度”だけでりくりゅうだと分かるほど有名になった奇跡の一枚は、苦楽を共にした抱擁と涙を、静かに証明している。