金メダルで日本中を沸かせた、りくりゅうペア。その輝きの裏には、崖っぷちから始まった“結成秘話”がある。木原龍一は、過去に二度のペア解消を経験し、「自分はペアに向いていない」と引退すら考えていた。そんな彼に手を差し伸べたのが三浦璃来だった。カナダで一度滑ってみる――その提案に応じ、滑り出した瞬間、木原は「絶対にうまくいく」と直感したという。しかし木原は、すぐに首を縦には振らない。「次に失敗したら、相手の人生を壊すかもしれない。君の才能を無駄にしてしまうかもしれない」と、一度は結成を断ろうとした。重さを知るからこその躊躇だった。それでも三浦は譲らない。「雄一くんじゃなきゃ嫌だ。あの感覚は雄一くんにしか出せない」――猛アタックの末、「これが最後の挑戦だ」と2019年8月に正式結成。彼らの滑りを見たブルーノ・コーチも「歴史を変えるペアになる」と早い段階で確信していたという。