俺には、二組の親がいる。 片方は、血のつながりこそあるが、俺を「病弱だからいらない」と切り捨てた両親。もう片方は、叔父夫婦だ。十年前、叔父は俺を見て静かに言った。「俺たちの息子になってくれ」。その一言で、俺の世界は救われた。 幼い頃から原因不明の発作に苦しみ、両親は弟コウタばかりを溺愛した。食事も服も扱いもすべて差をつけられ、俺は家族の中で透明人間のようだった。ついには、弟のサッカー留学費用のために治療を止めると告げられ、クリスマス・イブの夜に叔父の家へ追い出されたのだ。 だが、叔父夫婦は違った。食事を共にし、学校も生活も支え、俺を本当の息子として育ててくれた。やがて病気は完治し、俺はeスポーツのプロ選手として活躍するまでになる。 そして十年後のクリスマス。家を飛び出してきたコウタが、震える声で助けを求めてきた。あの両親の支配は、今度は弟を壊していたのだ。俺は決意する。「今度は俺が、弟を守る番だ」。