絵里子は三十二歳、三歳の息子・日向と幼い娘・春を育てながら、毎日家族のために台所に立っていた。料理の腕には自信がある。だが、週に一度やって来る姑だけは別だった。姑は夕食のたびに家へ押しかけ、唐揚げやハンバーグを「孫には悪い」と言って持ち帰ってしまう。絵里子が我慢を重ねていると、年末、姑は突然「正月は親戚を集める」と宣言し、おせち作りまで命じた。夫の雄介も最初は曖昧だったが、絵里子の苦労を知り、ついに協力を約束する。元旦、二十人分の料理を並べた席で、姑は平然と「嫁が料理下手だから久々に作ったのよ~w」と言い放ち、絵里子の手料理を自分のものとして褒めそやした。だが、その瞬間、日向が澄んだ声で言う。