「嫁は家族じゃない」と笑う義母、そしてそれを当然のように受け流す夫・正行。 千夏は、二歳の息子ハルトを抱えながら、いつも家族の輪の外に置かれていた。裕福な義父母の還暦祝いには自分だけ呼ばれず、夫は可愛がる義姉の子どもたちと外食へ。ハルトを「邪魔」と言い切る態度に、千夏の胸には冷たいものが積もっていく。そんなある日、育児に疲れ切った千夏は、ハルトと一週間ほど実家へ帰る。 そこで母にこぼした一言が、彼女の心を大きく揺らした。 「それは寂しいね」 その静かな言葉に、千夏は初めて、自分が求めていたのは“金”でも“我慢”でもなく、“家族に愛される感覚”だったのだと気づく。そして決意する。 帰宅後に突きつけたのは、記入済みの離婚届だった。 さらに夫の失業、義実家の資金難、そして浮気の証拠まで明るみに出る。 最後にハルトが放った一言は、正行のすべてを崩した。 「ママ、この人だれ?」