私は百三歳になりましたが、長生きの秘訣は、驚くほど静かなものでした。 四十年以上、ほとんど同じ「四つの食べ物」を続けてきたのです。朝はご飯、味噌汁、卵。昼はご飯、味噌汁、焼き魚。夜はご飯、味噌汁、納豆。そこに季節の野菜を少し添えるだけ。献立を考える苦労を手放した瞬間、台所は軽くなりました。 若いころの私は、品数を増やし、他人と比べ、言葉まで抱え込んでいました。けれど六十三歳で「痩せすぎ」と言われ、ようやく気づいたのです。食べているつもりで、自分の分を食べていなかったと。 大切なのは減らすことではありません。必要なものを、毎日きちんと食べること。卵、魚、豆の力を外さず、無理な我慢をしないこと。 今こそ、見直すべきは豪華さではなく、続けられる習慣なのです。