菊池かずとは、法人向けマッチング事業を手掛ける会社の経営者だった。仕事は順調で、同年代の中でも高い収入を得ており、母親への仕送りも欠かさない。しかし、恋愛だけは昔から恵まれなかった。過去には仕事を優先したことで恋人に振られたと思い込み、自分を責めたこともある。だが後に、その女性が別の男性と交際していた事実を知り、裏切られていたことに気づいた。それ以来、金目当てで近づいてくる女性たちにも疲れ、かずとは「一人で自由に生きる方がいい」と考えるようになっていた。そんなある日、偶然目にした新築タワーマンションの広告に心を奪われる。美しい眺望と高級感あふれる空間に惹かれ、かずとは人生の拠点としてその部屋を購入した。