年末、親族が集まる忘年会の席で、妻の早紀は俺を当然のようにこき使った。「つまみが足りない。ビールも買ってこい!」と、まるで下僕扱いだ。だが俺は静かに笑い、「じゃあ行ってくるね」と店を出た。もちろん、もう戻るつもりはなかった。数年ぶりに夢の洋食店を開いた俺は、コロナ禍で苦しみながらも、義母の家に身を寄せ、家事も仕事も必死でこなしてきた。だが、その献身は感謝ではなく、雑な命令と暴言に変わっていった。限界だった。その夜、俺はビジネスホテルに泊まり、三年分の日記と、早紀の暴言の録音を義父・岐阜へ送信した。翌朝、岐阜が帰国。さらに俺は、早紀と会社の上司の不倫写真を突きつけた。DNA鑑定の結果、子は俺の子ではなかった。離婚と慰謝料請求は成立し、早紀たちは崩れ落ちた。俺は再出発し、店の営業に集中する。あの日、帰らなかった選択が、すべてを変えたのだ。