街はずれの交差点で泣きじゃくる少女を見つけたとき、あつしは面接開始までの時間が迫っていることを知りながら、足を止めた。 母親が病院にいると訴えるその子を放っておけず、情報を頼りに病院を探し出し、手を引いて病室まで送り届ける。だが、その親切の代償は大きかった。第一志望の入社試験に遅刻し、面接官からは「君は不採用決定」と冷たく言い放たれる。 さらに理不尽な詰問が続き、あつしは悔しさを飲み込むしかない。だが、その瞬間、面接官の携帯に社長から一本の電話が入る。受話器の向こうから告げられたのは、あつしが助けた少女の父親が、会社の重要取引先の社長だという事実だった。顔色を失った面接官は、さっきまでの傲慢さを失い、ただ震える。 やがて事態は一変し、あつしは合格通知を受け取る。あの日の善意が、運命を大きく動かしたのだった。