出産して退院したその日、ゆりなを待っていたのは祝福ではなかった。 玄関に置かれたメモには、夫ユースケが義両親と「家族で温泉旅行に行ってきます」とだけ残していた。迎えはなく、彼女は生まれたばかりの赤ちゃんを抱え、たった一人でタクシー帰宅するしかなかった。翌日、心配した実母が駆けつけると、ゆりなは昨日から赤ちゃんと二人きりだった事実を打ち明ける。さらに、ユースケは産後の身体を気遣ったつもりで、妻を置いて旅行へ出たと悪びれもしない。実母は怒りを抑えきれず、産後の回復や育児の重さを突きつけた。やがて義母まで現れ、夫の無知と義家族の非常識は完全に露見する。ゆりなは「この家では守られない」と悟り、離婚を決意。後に実家へ戻り、両親の支えで子育てを続けながら、夫とは一度も会わぬまま離婚が成立した。