いすゞの乗用車事業は、その先進的な技術と突然の撤退で知られています。もともと船舶産業からスタートしたいすゞは、自動車製造に進出し、特に輸出用車両で数々の革新を実現しました。彼らは、国内では一般的でない技術を積極的に採用し、ディーゼルエンジン技術で世界に名を馳せました。特にディーゼル車では、驚異的な燃費性能を誇り、当時の市場で大いに注目を集めました。しかし、1970年代から始まる経営不振は徐々に悪化し、ついには乗用車事業からの撤退へと繋がります。利益を優先するため、商用車やトラックに専念し、乗用車事業は断念せざるを得なくなりました。これにより、多くの革新的な技術は未完のまま終わりましたが、それでもいすゞの技術的挑戦は今日も多くの自動車メーカーに影響を与え続けています。