初めてルーローハンと出会ったのは台北の市場。鍋でぐつぐつ煮込まれる肉と香辛料の香りが漂う中、威勢よく飯をよそうおじちゃんと優しい笑顔のおばちゃん。その光景がなんとも言えない懐かしさを感じさせたんだ。 メニューを見たとき、正直「変な魚を粘々に煮込んだ料理か?」と疑ったけど、一口食べた瞬間、そんな愚かな先入観は吹き飛んだ。甘辛のタレに絡んだ豚肉がご飯と絶妙に合わさり、その旨みが体の隅々まで染み渡る。これぞ家庭では再現不可能な究極の一杯。 でも、どうしても忘れられないこの味を自分で作ってみようと挑戦してみたんだ。本場の玉ねぎ代わりにシャロットを用意するも手に入らず、普通の玉ねぎで代用。油で揚げたカリカリ感を加えたり、八角やクローブなどのスパイスをふんだんに使ったりして、試行錯誤を繰り返した。