「娘はあげるから全財産をよこせ」――そう言い残して家族を捨てた元妻。しかし10年後、彼女が再び現れた時、待っていたのは思いもよらない現実だった。30歳の専業主婦・端岡かすこは、平凡な家庭生活に不満を抱いていた。そんな中、投資を教えてくれた若い実業家・宇佐野と出会い、次第に心を奪われていく。「もっと華やかな人生を送りたい」と願ったかすこは、夫と幼い娘・かすみを置き去りにする決断をした。離婚の際、かすこは「娘はあなたに渡すから、お金を全部もらう」と言い、夫の財産を持ち出して宇佐野との新しい生活を始めた。しかし、夢見ていたセレブな暮らしは長く続かなかった。10年後、宇佐野は無職となり、かすこは仕事と家事に追われる日々。結婚資金として預けた500万円も戻らず、最後には家を追い出されてしまう。何も失ったかすこは、かつて捨てた娘とかつての夫のもとへ向かい、「助けてほしい」と願う。中学生になった娘・かすみは、冷静に母を迎え入れた。しかし、そこで知らされたのは、母親への優しい言葉だけではなかった。元夫は弁護士を連れ、かすこが持ち出したお金の返還を求めた。娘の親権も家庭も放棄し、自分の欲望を優先した10年前の選択。その代償を、かすこはようやく理解することになる。一方で、元夫は娘を大切に育て、会社でも成功を収めていた。かすみも父を支えながら成長し、幸せな生活を築いていた。「私はどこで間違えたのだろう」