不倫によって築かれた新しい家庭は、本当に幸せになれるのか――。かつてマイホームを追い出された妻・マリを傷つけ、略奪婚という形で結ばれた秀治とレミナ。しかし、その後二人を待っていたのは、想像もしなかった厳しい現実だった。二人の間に生まれた娘・サラは、幼い頃から成績優秀で、周囲から「将来有望」と期待される存在だった。私立小学校への合格も確実視されていたが、面接で家庭の事情を問われたことで、両親の過去が明るみに出る。離婚前から関係を持っていたことや、出産後に入籍した事実が周囲に知られ、「略奪婚の家庭」と噂されるようになった。その影響は、罪のないサラへ向かった。学校では「不倫の子」と心ない言葉を浴びせられ、友人関係にも苦しむようになる。しかし、両親は娘の心の叫びに気づかず、将来のためだと勉強ばかりを求め続けた。やがて限界を迎えたサラは家族との生活を拒絶し、児童相談所に保護される事態へ発展する。娘を失ったレミナは、初めて自分たちの選択が周囲だけでなく、最も大切な存在を傷つけていたことを悟った。