今回はちょっと変わった実験をしてみました。イタリアの北部で親しまれているリキュール「ノッチーノ」を自作してみたのですが、その材料はなんと、まだ未熟な鬼ぐるみの実。普段見かけるくるみの実を収穫して、ウォッカに漬け込むという手間のかかる作業です。まず、くるみの実を一つずつ丁寧に洗い、半分に切ると、中身は液状になっており、フルーティでほんのり甘い味が広がります。この未熟な実がポイントです。そこにシナモン、クローブ、バニラビーンズなどのスパイスを加え、ウォッカで漬け込みます。毎日蓋を開けて酸素を取り込む作業を一カ月続け、さらに数カ月の熟成を経て、最終的に完成したのが真っ黒になったリキュール。飲んでみると、ナッツの香りとカラメルの甘さが調和し、スイーツ感覚で飲める美味しい一杯に仕上がりました。苦労した甲斐があったこの一杯、ぜひみなさんも挑戦してみてください。