私の名前は前原アン里、大手食品メーカーで働く兼業主婦です。今年の春に二年間付き合っていた将樹と結婚しました。しかし、私の手料理は義母の文枝さんと夫にいつも貶されていました。「犬のエサより酷いな」と笑われ、作った料理をゴミ箱に捨てられました。文枝さんは息子の正樹に合鍵を渡され、勝手に家に上がり込む始末。冷蔵庫の中身を勝手に捨てながら「これも指導の一環よ」と言い切ります。毎日献身的に料理を作っていたにも関わらず、ついたあだ名は「飯マズ」（料理がまずい人）でした。この困難に耐えかねて、ある日、彼らが帰宅するとテーブルに離婚届を置いておきました。「これ以上の罵詈雑言は耐えられない」と伝えましたが、正樹は最後まで母親を擁護しました。私の努力とプライドが踏みにじられた瞬間でした。エリカという友人の助けもあり、新しい趣味として料理の写真をインスタグラムに投稿することにしました。徐々にフォロワーが増え、料理が注目されるようになりました。会社でも評判を呼び、新たな企画として迎えられました。独身に戻った私は、また新たな人生を始めることを決意しました。いつか本当に料理を愛してくれる人と出会える日を心待ちにしています。