夫の不倫が原因で、私は心の中で決意を固めた。四十九日が過ぎた頃、私は義父母宅からそっと立ち去った。夫が生前行っていた冷たい仕打ちにも、義母の差別にも耐えてきたが、限界を感じていた。不倫相手といるときに亡くなった夫の遺産を巡り、義母は私に放棄を迫ったが、私はそれを承知したフリをすることにした。実際には、夫の散財と莫大な借金の存在を知っていた。葬儀後、僅かな遺品整理を進めながら、私は新たな生活の準備を水面下で進めた。義母が私に期待していた莫大な遺産などは無いと知ったときの彼女の表情は見ものだった。私は義実家を出る際、最後に義母へ「お世話になりました」と告げて視線を交わし、迷うことなく新しい人生へと歩き出した。新たな環境での生活が始まり、心の中の重荷が徐々に軽くなっていくのを感じている。