「ママ、私ね、赤ちゃんができちゃったの。」娘のその言葉を聞いた瞬間、私は頭が真っ白になりました。なぜなら、彼女はまだ12歳、小学生なのです。「相手は誰?どうしてそんなことに?」恐る恐る聞く私に、娘は泣きそうな顔でこう答えました。「…パパの…。」その「パパ」とは、再婚したばかりの夫・裕二のこと。私は愕然とし、娘から詳しく話を聞くと、さらに信じられない事実が判明しました。夫の連れ子で大学生の息子、駿が娘に近づき、「将来はもっといいことをしてあげる」と囁いていたのです。どうやら彼の目的は私の前夫が遺した遺産。娘を利用して相続権を狙おうとしたのでした。怒りに震えた私は、駿の部屋に忍び込み、計画書などの証拠を見つけ出しました。そしてその夜、夫と駿を呼び出し、全てを暴露しました。駿は「遊びだった」と弁解し、父親である裕二も怒りを抑えきれず、彼を家から追い出す決断をしました。駿は父の援助を失い、大学を中退してフリーターとなりました。一方、私たち家族は新しい命を迎え、再び明るい未来に向かって歩み始めています。家族の絆を壊そうとする者に未来はありません。娘を守るため、私はどんな相手にも立ち向かう覚悟を持ち続ける母親です。