ある日、義母の由美が私の通帳と印鑑を盗んでお金を引き出そうとした。「あなたのお金を使って何が悪いの?」と開き直る彼女に、私は「何の事ですか?」と静かに問いかけた。由美は一瞬戸惑ったように見えたが、すぐに私を詐欺師扱いし始めた。その日は友人の銀行員から電話があり、彼女が通帳を使って引き出しに来たという報告があった。私はあらかじめ印鑑を変え、友人に事情を説明していたため、何事もなく済んだ。その週末、夫の検次と娘のさやと共に義母を訪ね、すべてを明かした。由美は最初はしらを切っていたが、私の指摘に観念し、涙を見せた。事件後、由美は私たちとの接触を避け、再び姿を現すことはなかった。そんな中、私たちは家族の安全を考え新しい生活を始めた。検次は傷つきながらも前を向き、私は大切な家族を守るために貯金を続けている。