突然、弟の嫁から電話がかかってきた。「土方のお義兄さん、結婚式には来ないでください」と冷たく告げられたのだ。誇りを持って働く左官職人としての俺は、身分違いと見下されることに衝撃を受けた。しかし、弟の裕二もその意見に賛同する様子で、俺は胸の中が冷たく凍るのを感じた。結婚式当日、俺は家に残ることを決意した。だが、電話が鳴り響く。「今日はただの食事会になった」と裕二の声。そして、弟嫁とその家族が青ざめる様子が目に浮かぶ。彼らが計画した結婚式は、結局夢に終わったのだ。この出来事は、裕二とその婚約者の未来を根底から揺るがす結果となった。彼らの思惑とは裏腹に、俺はこの日を通して自分の選択が間違っていなかったことを再確認した。誇りある職業に対する偏見に屈する必要はないことを、強く心に刻んだ。