昭和30年から40年頃、日本では現在なら身近に手に入る物が、誰もが簡単には買えない憧れの存在でした。高度経済成長の入り口に立ったこの時代、人々は一つ一つの品物に大きな夢と価値を感じていました。まず代表的なのが白黒テレビです。当時は約17万円という高額商品で、一般家庭にとっては人生をかけた買い物でした。街頭テレビの前には多くの人が集まり、力道山の試合に日本中が熱狂するなど、テレビは単なる家電ではなく、人々を結びつける特別な存在だったのです。また、バナナや卵も今とは全く違う価値を持っていました。バナナは特別な日の贈り物、卵はごちそうとして扱われ、食卓に並ぶだけで家族に喜びを与える存在でした。