みかんは23歳の女性で、常に自身の外見について悩んでいる。何度も思うことは、もし自分が美人だったら、人生がまったく違っていたのではないかということ。彼女にとってマスクは必需品となり、風邪でもないのにマスクで覆うことで他人の目から自己評価を隠せることを知っている。しかし、マスクにも欠点がある。手放す勇気が出ないと、自信がなくなり、マスクなしでは息ができなくなることもある。さらに彼女にとってカメラは恐怖そのもので、レンズを向けられることは心の銃口を向けられていると感じることがある。自分だけが写真でブスになる理由を真剣に考えたこともあるが、それは現実である。眼鏡を外して写真を撮っても変わらない姿に彼女は苦しむ。彼女は店でバッグを選びながら、鏡に映った自身の姿に再び現実を思い出し、誇りを傷つけられることを怖がっている。店員の視線にも敏感になり、「豚に真珠」と思われていないかと心配することがある。褒められたとしても、彼女にはそれが単なる社交辞令にしか感じられない瞬間もある。みかんはこうした感情に独りで向き合い続ける。