佐藤さんは78歳の男性で、長年高血圧治療に取り組んできました。非常に真面目な性格の彼は、自宅で毎日血圧を測り、その数値を手帳に記録し、お薬も欠かさず飲んでいました。さらに食事の塩分にも気を使い、おかげで血圧は上が110、下が10台を維持するという理想的な状態でした。しかし、数か月前から佐藤さんは椅子から立ち上がる際やベッドから起き上がる際に軽い立ちくらみを感じるようになりました。それでも彼は「年のせいだろう」「貧血かもしれない」と特に気にすることはありませんでした。ある夜、トイレに向かおうとベッドから立ち上がった佐藤さんを、突然強烈なめまいが襲いました。体勢を立て直せずに横に転倒し、腰に激痛が走ったのです。奥さんが慌てて救急車を呼び、病院で診断された結果は「大腿骨頸部骨折」。高齢者にとって最も恐れられる負傷の一つでした。