「本当は最後までいたかった」施設を追われる高齢者が増えている〜認知症専門医・長谷川嘉哉
2026/08/31
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長年、認知症患者と向き合ってきた長谷川氏は、近年、介護施設を選ぶ際に「どこへ入るか」だけではなく、「最後までそこで暮らし続けられるのか」を考える必要があると指摘している。以前は、グループホームに入居した高齢者が、職員や他の入居者との深い信頼関係を築き、そのまま最期の看取りまで迎えるケースも少なくなかった。家族のような存在になったスタッフに見守られながら穏やかな人生の終盤を過ごすことは、多くの人が望む理想の形だった。しかし現在、その希望を阻む大きな壁となっているのが「お金」である。施設費用が年金だけでは足りず、毎月数万円から十万円近い持ち出しが必要になる家庭も増えているという。例えば、年金が月12万円、グループホームの費用が月18万円の場合、毎月6万円の不足が発生する。5年間続けば約360万円の負担となり、長寿時代の今では貯金だけで支え続けることは簡単ではない。その結果、多くの家族は途中で特別養護老人ホームへの移行を選択する。介護の質に問題があるのではなく、「本当は最後までここにいたかった」という思いを抱えながら、経済的な理由で施設を離れる高齢者が増えているのだ。長谷川氏は、親の年金額や預貯金、医療費、薬代、おむつ代など、実際に必要となる生活費を早めに把握することが重要だと訴える。経済的な準備が整えば、グループホームで家族のような支えを受けながら最期まで暮らすという選択肢も残される。

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