定年退職を迎えた王の拳一(65歳)は、テレビの前で無為な日々を送っていた。そんな彼を変えたのは、元同期の沢村が語った「財布を出さずに世界を広げる5つの趣味」だった。東大の無料オンライン授業、AIを連れて歩く城巡り、スマホで挑む写真コンクール、緊張感漂う裁判所傍聴、そして己の感覚と向き合う瞑想。どれも一切の金がかからない、贅沢な知的冒険である。「知らなかったのではない、行こうとしなかっただけだ」。スマホを片手に一歩を踏み出した拳一の視線の先には、40年間気づかなかった新しい世界が鮮やかに輝き始めていた。