地元で一番のヤンキーとして知られていた少年・西郷。中学時代は金髪で夜遊びを繰り返し、喧嘩も絶えない毎日を送っていた。そんな息子の姿に、母親は心配しながらも「本当は優しい子だ」と信じ続けていた。しかし、中学卒業を境に西郷はまるで別人のように変わった。髪を黒く染め、遊び歩くこともなくなり、突然塾へ通い始めたのだ。急激な変化に母は「何かあったのでは」と不安を抱えていた。ある日、母が理由を尋ねると、西郷は静かに打ち明けた。中学最後の頃、偶然母が癌の治療を受けていることを知ったのだと。病気を隠しながら家族のために笑っていた母の姿を見て、自分の過去の態度を深く後悔したという。「俺、医者になる。母さんみたいに苦しむ人を助けたいんだ」かつて周囲から恐れられたヤンキー少年は、大切な人を守るために努力する青年へと成長していた。母は涙ながらに息子を抱きしめ、「生まれてきてくれたことが一番の親孝行」と伝える。その後、母は厳しい手術と闘病を乗り越え、癌を克服。数年後、西郷は医学部へ進学した。過去の不良時代とは想像もつかないほど成長した彼の姿に、母は誇りを感じていた。「地元一のヤンキーだった俺の母親が、癌なんかに負けるわけない」