10年間必死に貯金を続け、ようやく手に入れた新築の家。美紀は、女手一つで育ててくれた母と暮らす日を夢見ていた。しかし夫の正明は、引っ越し直前になって「両親も一緒に住むことになった。もう荷物は送ったから諦めろ」と一方的に告げる。約束を無視された美紀は、夫の身勝手な決断に絶望する。さらに正明が裕福な両親を優先し、母を軽視する発言をしたことで、ついに心を決めた。引っ越し当日、正明が家に向かうと、新築は売却済みになっていた。「私も荷物を送ったところよ」と告げる美紀。ローンを一度も払う前に家を手放した理由は、夫に奪われた人生を取り戻すためだった。その後、正明の両親には隠された借金問題が発覚。夫の計画はすべて崩れ、美紀は母との念願の生活を始めることになる。家族を大切にしなかった夫が失ったものは、家だけではなかった。