過去に世界遺産として認定された数々の場所が、その後の運命によりリストから姿を消していった。まず第一に挙げられるのが、アラビオリックスの保護区だ。この場所はオマーンで2004年に世界遺産に登録され、絶滅危惧種であるアラビオリックスの保護を目的としていたが、政府の石油資源開発の意向により、保護区の面積は大幅に縮小されてしまった。これを受け、2007年に世界遺産から抹消されることとなった。次に紹介するのは、ドイツのドレスデン・エルベ渓谷である。この地は2004年に登録され、美しい景観が評価されていた。しかし、市内の交通渋滞を解消するために新たな橋を架ける決定がなされ、風景破壊と見なされて2009年に抹消された。最後はイギリスのリバプール市街。2004年に登録されたものの、その後の発展計画に伴う再開発で街の景観が変貌し、2021年に抹消される結果となった。