田舎の小さな駅で、俺は倒れている少女に出会った。会社をクビになり、自暴自棄になっていた俺には、全財産はわずか750円。この少女が困っている姿を見て、無意識にその全てを渡してしまった。後日、少女が「お金返しに来たよ」と訪ねてきた時、彼女と一緒にいる立派なスーツをまとった男性を見て、俺は驚愕した。その男性は、以前俺が働いていた会社の取引先だった合田商事の社長だったのだ。彼は感謝の言葉と共に、「君が娘を助けてくれたんだね」と言った。なんと、この少女は社長の娘だったのだ。娘は、親の離婚により別々に暮らしており、この度の再会で彼女は父親と共に幸せそうに笑っていた。社長は俺に新たな仕事の機会を与えてくれた。信じられない展開に感謝の念が溢れた。俺を必要としてくれる場所がここにあったのだ。そして、少女は俺の心の一片に温かさを残していった。