八戸駅は東北新幹線の停車駅でありながら、その周辺はなぜ閑散としているのか。八戸市の中心的なターミナル駅であるこの駅には三つの路線が乗り入れているが、周辺の賑わいは低く、むしろ本八戸駅周辺の方が市街地に近接している。この現象の背景には明治時代の鉄道計画が関わっている。当時、日本鉄道は現代の本八戸駅位置に東北本線を設置する意向だったが、陸軍省は国防上の理由から内陸部に線路を敷くことを望み、双方対立した。最終的には日本鉄道が勝利し、内陸部に駅が設立された。八戸市は既に工業都市として重要な地位を築いており、市街地は公安と強く結び付いていた。そのため、市街地を内陸部に移動させる試みは何度も行われたが、城下町の強固な基盤により成功しなかったのだ。これが駅周辺の閑散としている理由と言える。