トリスタンダクーニャ島——よく知られることのない孤立した有人島。大西洋の南に位置し、ギネスブックにも「世界で最も孤立した有人島」として登録されています。南アフリカのケープタウンから約2，815キロ、ブラジルのリオデジャネイロからは3，353キロも離れたこの地は、まさに世界の果てと称されるにふさわしい。歴史の中では、ナポレオンが幽閉されたセントヘレナ島からも2，429キロも隔たっています。わずかに約260人が暮らすこの島は、イギリスの海外領土であり、国際法上もイギリスの一部とされています。年に数回、南アフリカとの間を行き来する船便が、郵便物や貨物を届けるライフラインとなります。しかし、この往復には数日を要します。この島から輸出される冷凍ロブスターは、遥か日本の食卓にも届いています。トリスタンダクーニャ島、知られざるその孤高の魅力が、世界の片隅で静かに輝いています。