トメに母の形見を捨てられた瞬間、心の中で何かが弾ける音がした。母が遺してくれた大切な形見。その形見が粗末に扱われ、その挙句廃棄されたという事実を知ってから、怒りと悲しみは止めどなく押し寄せてきた。しかしながら、そんな私の感情を理解しようともせず、風見鶏のように状況に流されるだけの夫の態度に追い詰められた。翌週、私は全ての私物を整理し始めた。親族に渡すべきもの、生前贈りたいもの、そして自分の居場所を失わないための準備だ。この家から出て行き、自分自身を守る道を探らなければならないと確信した。そして、ついに決断の時が訪れた。緑の紙に署名し、夫との関係を正式に終結させる道を選んだ。