3歳の娘を見つめる兄の一言に、何故か妻が全身を震わせた。彼女の過去の思いがけない出来事が露わになった瞬間だった。それは3年前のこと。正月の挨拶に妻の親戚を訪れた時、久しぶりに顔を合わせた義兄が娘をじっと見つめ、「娘さんを守るものが見えている」とぽつりと言った。その言葉に妻は動揺し、全身が震える様子を見せた。詳しい話を聞くと、義兄は幼少期から霊感が強く、見えないものが見えることが多々あったと言う。妻はその能力を恐れ、義兄との関係を避けていた。しかし、義兄の言葉をきっかけに、娘の健康不振の原因が不可解な存在によるものではないかと疑うことになった。